Midjourneyとは? 始め方からプロンプト、商用利用まで画像生成AIを徹底解説

頭の中で思い描いたイメージを、わずか数十秒で高品質なビジュアルアートとして具現化できるとしたら、どうでしょうか?
これを可能にするのが、画像生成AIツールの一つである、Midjourney(ミッドジャーニー)です。

Midjourneyは、プロのデジタルアーティストからマーケター、趣味で創造性を追求する人まで、あらゆるユーザーのクリエイティブな境界線を塗り替えています。
しかし、その利用にはDiscord連携という特有の使い方や、プロンプトのテクニック、そして特に重要な商用利用や著作権に関する正確な理解が必要です。

この記事では、Midjourneyの基本的な仕組みから、具体的な始め方、高品質画像を生成するためのプロンプトの秘訣、そしてビジネス活用における倫理規定まで解説します。

※この記事の情報は2025年10月時点のものです。

目次

Midjourneyとは? 驚異の画像生成AIの基礎知識

近年、AIアートの分野で世界中のクリエイターやビジネスパーソンから熱い注目を集めているのが「Midjourney」です。

Midjourneyとは、特定のテキスト(プロンプト)を入力するだけで、数秒のうちに息をのむような高品質画像を生成する画像生成AIサービスです。
そのアウトプットのクオリティは非常に高く、単なる画像生成ツールを超え、新しい創造性のパートナーとして認識されています。

定義と仕組み なぜMidjourneyのAIアートは特別なのか

Midjourneyは、ユーザーが入力した自然言語のプロンプトを解釈し、膨大な学習データに基づいて画像を生成する「拡散モデル」と呼ばれる技術を核としています。
最大の特徴は、写実的な表現から幻想的なアートまで、幅広いスタイルを高レベルで再現できる点です。

Midjourneyの利用環境は、他の多くの画像生成AIと異なり、Discord連携が必須です。
Discord上の専用サーバーやプライベートメッセージを通じて、ユーザーはコマンドを入力し、画像を生成します。
このコミュニティベースの仕組みが、利用者同士のAIアートの共有やノウハウの交換を促進し、Midjourneyの急速な発展を支えています。

Midjourneyの高品質なアウトプットを支える技術

Midjourneyは、開発チームの絶え間ない改善により、短期間で目覚ましい進化を遂げてきました。
特に最新バージョン(V6など)がリリースされるたびに、画像の解像度、細部の忠実性、そしてプロンプトの解釈精度が飛躍的に向上しています。

この高品質なアウトプットは、単に技術的な精度が高いだけでなく、美学的な要素が深く組み込まれていることに起因します。
Midjourneyは、ユーザーの「作りたい」という創造性を最もよく引き出し、直感的に美しいと感じられる「AIアート」を生成することに特化していると言えるでしょう。
この特性が、デジタルアーティストやデザイナーにとって時短ツールとして機能し、制作フローに革命をもたらしています。

初心者でも迷わない!Midjourneyの始め方と料金体系

Midjourneyを始めるのは非常にシンプルです。
ただし、Discord連携が必須となるため、事前にアカウントを用意しておく必要があります。

利用開始までのステップ:Discordアカウントの準備からサブスクリプション登録まで

STEP
Discordアカウントの作成とログイン

MidjourneyはDiscordサーバー内で動作するため、まずDiscordのアカウントを作成・ログインします。

STEP
Midjourneyサーバーへの参加

公式WebサイトからMidjourneyのDiscord連携サーバーへアクセスし、参加します。

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サブスクリプションの選択

以前は無料トライアルがありましたが、現在は基本的に有料のサブスクリプション(有料プラン)登録が必要です。
サーバー内のコマンド /subscribe を入力し、画面の指示に従って料金プランを選択・決済します。

STEP
画像生成の開始

サーバー内の特定のチャンネル(例:#newbies)またはプライベートメッセージで、画像生成コマンドを入力すれば、すぐにAIアート制作を始められます。

知っておきたい料金プランとクレジット消費の仕組み

Midjourneyは、利用頻度や目的に応じて複数の料金プランを提供しています。
プランは主に、「高速GPU時間」の利用可能量に基づいて設計されています。
高速GPU時間(Fast Time)とは、 画像生成にかかる時間を短縮するためのクレジット消費量です。
この時間が尽きると、生成速度が落ちる「リラックスモード」に切り替わるか、追加でクレジットを購入する必要があります。
一般的に、月額料金の低いベーシックプラン、無制限のリラックスモードが付帯するスタンダードプラン、さらに多くの機能が利用できるプロプランなどが用意されています。

特に、商用ライセンスの扱いは料金プランによって異なります。
ビジネス目的で利用する場合は、商用利用が可能なプランであるか、必ず規約を確認することが重要です。
この点については、後の「商用利用と著作権」のセクションで詳しく解説します。

プロンプトが鍵! Midjourneyで高品質画像を生成する使い方の秘訣

Midjourneyの性能を最大限に引き出すためには、プロンプト(呪文とも呼ばれます)の技術が不可欠です。
高品質画像を生成できるかどうかは、入力するテキストの質に大きく左右されます。

基本のプロンプト構造とコマンド一覧

Midjourneyで画像生成を行うには、基本的に/imagineというコマンドを使用します。

まずは、/imagine prompt:と入力し、 これに続けて、作りたい画像の具体的な指示文を入力します。
これが主要なプロンプトとなります。

プロンプトの末尾には、画像の縦横比やスタイル、バージョンなどを指定する追加の設定(パラメータ)を付与します。

主なパラメータの例
  • –aspect または –ar:画像のアスペクト比を指定(例:–ar 16:9)。
  • –style:特定のスタイルコードを指定し、画像の雰囲気を調整。
  • –v:使用する最新バージョンを指定(例:–v 6.0)。

これらのコマンドとパラメータを理解することが、AIアート制作の第一歩です。初心者向けには、簡単な指示から始め、少しずつ詳細なパラメータを加えていく使い方が推奨されます。

プロンプトの例
  • 宇宙服を着たフォトリアルな猫、高精細、スタジオ照明 –ar 1:1 –v 6.0
    (最新バージョン6.0を使用し、正方形の比率で高精細な画像を作る)
  • 月明かりの下の静かな日本庭園、浮世絵スタイル –ar 16:9
    (横長の比率で、浮世絵のような和風アートスタイルを生成する指示

画像のクオリティを劇的に高めるプロンプトライティングのコツ

ただ漠然とした指示ではなく、次の要素を盛り込むことで、生成される画像のクオリティは劇的に向上します。

  • 具体性
    主題(例:猫)、動作(例:走る)、環境(例:森の中)、時間帯(例:夕暮れ時)など、要素を明確に記述します。
  • スタイル指定
    アートスタイル(例:水彩画、サイバーパンク)、特定のカメラレンズ(例:85mm F1.8)、照明(例:ドラマチックライティング)などを指定し、画像の世界観をコントロールします。
  • 感情・雰囲気
    「喜びにあふれた」「静寂な」「未来的な」といった抽象的な言葉を盛り込むことで、AIに意図する創造性の方向性を示します。
  • ネガティブプロンプト
    プロンプトの最後に–noを付けて、画像に入れたくない要素(例:–no ぼかし、文字)を指定することで、不要な要素の混入を防ぎます。

また、アニメ・漫画・イラストレーションに特化した派生モデルである「Niji・Journey」を利用することで、より洗練された二次元のAIアートを生成することも可能です。

高度な機能 アップスケール機能とバリエーション機能を使いこなす

Midjourneyは、初期に生成された低解像度の4枚の候補画像に対し、様々な加工を施す機能を提供しています。

  • アップスケール機能(Uボタン)
    気に入った候補画像を高品質画像として高解像度化します。この作業が最終的なアウトプットとなります。
  • バリエーション機能(Vボタン)
    選択した画像をもとに、テーマや要素を維持したまま、新しいアイデアや構図で複数のバリエーション画像を再生成します。
  • Inpainting(領域編集)
    生成された画像の一部をプロンプトで修正・再生成する機能は、AIアート制作における柔軟性を格段に高めます。

これらの機能を活用することで、単なる「文章生成」ではなく、クリエイターが意図した方向へ画像を「育成」していく、インタラクティブなAIアート制作が可能になります。

Midjourneyの商用利用と著作権・倫理規定の重要事項

Midjourneyをビジネスやクリエイティブ産業で利用する際、最も慎重になるべき点が著作権と倫理規定です。
商用利用の可否は、利用者の料金プランや生成方法に左右されます。

生成画像の著作権は誰のもの? 商用ライセンスの確認

Midjourneyで生成されたAIアートの著作権に関する公式見解は、利用規約に明確に記載されています。

  • 有料プラン(サブスクリプション)利用者
    基本的に、生成した画像の所有権はユーザー自身に帰属し、商用利用が可能です。
    つまり、企業がマーケティング活動のために利用したり、デジタルアーティストがポートフォリオに組み込んだり、販売したりすることが認められています。
  • 無料プラン(過去のトライアル含む)利用者
    無料版で生成された画像は、原則として商用利用が認められていません。

ただし、著作権に関する法的判断は国や地域によって異なり、AI生成物に対する著作権法の適用は流動的です。
そのため、大規模なビジネス活用を行う場合は、常に最新バージョンの利用規約を確認し、法的な専門家の意見を聞くことが推奨されます。

知っておくべきAIアートの倫理規定と利用上の注意点

Midjourneyは、ユーザーの創造性を尊重しますが、同時に倫理規定を設けています。
不適切なコンテンツ(ヘイトスピーチ、成人向け、暴力的な描写など)の生成は固く禁じられています。

また、特定の存命のアーティストや団体のスタイルを過度に模倣し、第三者の著作権や商標権を侵害するようなプロンプトの使用も避けるべきです。

MidJoueneyに限らず画像生成AIを使うには、AIリテラシーを高め、公正かつ適切な方法でAIアート制作に取り組む姿勢が求められます。

ビジネス活用とクリエイティブ産業におけるMidjourneyの可能性

Midjourneyは、単なる趣味のツールに留まらず、その高品質画像生成能力から、様々なクリエイティブ産業やビジネス活用の場で導入が進んでいます。

マーケティング活用事例

  • 広告・販促素材の制作
    広告バナーやWebサイトのイメージ画像、SNS投稿用コンテンツなどを、デザイナーに依頼するよりも遥かに短い時間と低コストで生成できます。
    スピード感が求められるマーケティング活用において、非常に強力な時短ツールとなります。
  • コンセプトアート・デザインの初期段階
    映画やゲーム開発、プロダクトデザインの初期段階で、多様なアイデアの視覚化を瞬時に行い、創造性を刺激します。
  • デジタルアーティストの作業効率化
    複雑な背景や特定のテクスチャの生成をAIに任せることで、デジタルアーティストはより人間的な創造性を要する核心的な作業に集中できます。

Midjourneyと他画像生成AI(DALL-E, Stable Diffusion)の比較

画像生成AIの市場には、Midjourney以外にも「DALL-E」や「Stable Diffusion」など、有力なツールが多数存在します。

ツール名特徴選び方のポイント
MidjourneyAIアートに特化。幻想的で美しい高品質画像の生成に強み。プロンプトの美学的解釈に優れる。創造性や芸術性の高いアートを求める場合に最適。
DALL-EOpenAIが開発。現実世界にあるオブジェクトの合成や、具体的な指示への忠実な再現に強み。現実的なイラストやロゴ、ユーモラスな画像を求める場合に適している。
Stable Diffusionオープンソース。ローカル環境での利用や細部にわたるカスタマイズ、独自モデルの学習が可能。技術的な自由度やAIリテラシーを高めたい上級者、研究用途に適している。

まとめ AIリテラシーを高め、Midjourneyを使いこなすために

Midjourneyは、現代のクリエイティブ産業に革命をもたらす強力な画像生成AIです。
その高品質なAIアートは、プロンプトというテキストを通じて、誰でも創造性を発揮できる扉を開きました。

しかし、そのパワーを最大限に活かすには、Discord連携から使い方、プロンプトのテクニック、そして最も重要な商用利用や著作権、倫理規定に至るまで、幅広い知識(AIリテラシー)が必要です。Midjourneyは、単なる時短ツールとしてだけでなく、新しいAIアート制作のパートナーとしての可能性を秘めています。
この革新的なツールを使いこなし、創造性の限界を押し広げてみませんか?


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